雑感:バグに対する緊張感

ここ1年ほど、某SAPで働かせてもらっているが、
昨今の各ソシャゲメーカーの隆盛や衰退を肌身で感じて、ふと思ったこと。



不可能を可能にできたり自ら発案できるエンジニアは限りなく少ないけど、
発案者のアイデアを今ある環境で限りなく忠実に再現するのが真の技術屋なんじゃないか。



技術上がりの経営者はなかなかうまく行かないと言うし、
自分もそれで悩むことがあるけれど、
発案者のせっかくの発想を(バグのせいで)商業的にダメにすることだけは避けたい。



ゲーム業界で言うならば、重大なバグはどんなに素晴らしいゲームでも一瞬で屑にする。
ユーザーを平気でβテスターとして扱う昨今の風潮然り、
ネットワーク経由でのアップデートやクライアントサーバー型ゲームの台頭は
バグに対する提供者側の緊張感を著しく麻痺させている気がしてならない。



ユーザーも馬鹿じゃないし、任天堂のソフトのように流行り廃りを超えて
繁栄するためには面白さを遺憾なくユーザーに伝える土台が必要不可欠だと思う。



そこには扱える言語とか実務経験というレベルではなく、個々のエンジニアの思想から教育すべきである。
無駄に複雑なコードを書いたり、部下がついたから偉いと勘違いする割に、
発生してしまった障害への対応もろくにできず
責任も取らない(取れない)エンジニアは意外に多い。
こういう人間はSEどころかテスターにすらなるべきではない。



どんなにしっかり動作してもつまらないゲームは売れないだろうし、
ゲーム会社は確かに技術を売るところではないが、
ダメな技術屋によって会社がダメになることは往々にしてあるもの。



新しい技術を追いかけるのは非常に楽しいことであるが、
ユーザーは新技術だからと甘い目で見てはくれないし、それを開発者が期待してはならないと思う。